睦美音楽センター

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−院長の育てた花を添えて−

 4月10日、いよいよ睦美音楽センターも新学期がスタートしました。新しい生徒さんも入会してくださいました。

 ピアノを始める家庭の事情も、以前とは大きく変わってきました。私が子どもをピアノ教室に通わせていた頃は、以前のブログにも書きましたが、母親である私自身に気合が入りすぎていました。レッスンには必ずついて行き、先生の仰ることは子ども以上に目を輝かせて見聞きし、家に帰ればピアノの横に座って我が子に練習させ…。練習しない日の夕食はなし等のスパルタ教育を行っていました。当時、子どもの教育に熱心な、いわゆる「教育ママ」の話を少なからず耳にしました。
 最近は、女性の社会進出に伴い、多くの母親は仕事を持っていらっしゃいます。したがって、3歳、4歳のお子さんが、ひとりで練習をしている事も多いようです。中には、1週間全くピアノを弾かないままレッスンに来るお子さんもいます。ご両親がフルタイムの共働きのご家庭ですと、練習時間がなかなか取れず大変です。
私はあの手この手で、毎日1回でも良いから練習をするようにと、お子さんに指導しますが、なかなか練習には至らないようです。
ところが、1年に1回のピティナピアノステップや、発表会の前は、事情が違ってきます。この時だけは、お子さんに熱心に練習をさせてくださいます。そのおかげで名曲を弾けるように成長していくのです。

 

4月4日は、犬山祭の2日目でした。珍しく2日とも晴天に恵まれました。桜の花もこの天候不順にも関わらず、綺麗に咲きそろったようです。
その日、リトミックの体験レッスンを行いました。

10時と11時の2クラスに分けて体験レッスンを行いました。その間に、サックスの小田講師にミニコンサートを開いていただきました。約30分の演奏時間にも関わらず、子どもたちは、とても静かによく聞いてくれました。曲目は「となりのトトロ」、「天空の城ラピュタ」といった子どもたちが大好きな曲などです。

今日は嬉しいことに、全員が入会して下さいました。この子どもたちに、私の持てる力を出して、一生懸命指導をして行こうと思っています。

子どもたちに輝かしい、実り多き未来が訪れますように。



*リトミック受講生、随時募集中。詳しくはお電話、メールでお問い合わせ下さい。

〜リトミッククラス時間割〜
火 10:00〜 1才児
   11:00〜 2才以上
土 10:30〜 1〜2才児
   11:30〜 年少・年中
   13:00〜 年中・年長
   14:00〜 小学1・2年生
〜グループピアノ時間割〜
水 16:00〜17:00 年少・年中
木 16:00〜17:00 年少・年中
金 16:00〜17:00 年中
〜リコーダー・サックスグループレッスン〜
土 13:00〜 リコーダー
   14:00〜 サックス
 

 4月、1年中で1番希望にあふれた時期です。
 今年は気候が例年と少し違います。例年でしたら、ひと雨毎に暖かくなるはずのこの時期に、そうでもありません。桜の花も咲いている木や、咲くのをためらっている木などさまざまです。
 45年程前、私が教員を退職してピアノを教え始めた同じ頃、ヤマハ音楽教室も始まりました。外国のメソッドだけでなく、日本人指導者による教則本なども出版され始めました。私は、その頃出会った教則本の著者である涌井曄子先生を東京まで訪ねて行き、2歳児から始めるピアノ指導法を教えていただきました。その後、まだ一般的でなかったリトミックの指導法を、橋内良枝先生や板野平先生等から約10年間学びました。3人とも故人となってしまわれましたが、どの先生も、リトミックや幼児へのピアノ指導に対して、並々ならぬ熱意を持っておられ、多くのことを学ばせていただきました。
 約25年前に睦美音楽センターを設立しましたが、東京から星野圭男先生、大橋京子先生、地元の杉浦日出夫先生、矢島勝先生、フィンガービルの中村里美先生等、著名な先生方にいらしていただき、睦美音楽センターを育てていただきました。中でも、昨年度の3月をもって閉講しましたリトミッククラスの吉田裕昭先生には18年間、お世話になりました。
 2010年の新学期、改めまして諸先生方に、深く感謝をいたします。
 併せて、吉田裕昭先生をはじめリトミック指導法やピアノ指導法を教えて下さった先生方の教えをこれからも生かして、子どもたちの指導にたずさわって行きたいと思います。

※ 吉田裕昭先生指導によるリトミック指導者養成コースは、今年度も引き続き開講しております。
 

3月15日 睦美音楽センター発表会 後記

今年も無事に発表会を開催することができました。
南部公民館が取れなかったので、犬山市民文化会館で行いました。1200人も入る大ホールです。
過去に数回、このホールで発表会を行いましたが、改めて感じたことは、とても音響が良く、舞台上のフルコンサートピアノの音が良く、弾き易いことです。
3才のグループピアノコースから、個人レッスンのピアノ、ヴァイオリン、フルート等、最高78才までのステージが、2日間に渡って繰り広げられました。
練習時、グループピアノコースのお子さんの中に、「ボール遊びには出るけれどピアノはいや」という子もいて、広い大きな舞台でどうなることやらとハラハラドキドキしていましたが、記念写真を撮る頃はどのお子さんもその日1日で、2才位成長したような顔で並んでいたのを見て、本当に嬉しく幸せな2日間でした。
以前のブログでも触れましたが、日頃、練習不足で、とても仕上げることが難しいであろう曲を、母親の希望で挑戦した数名の子ども達も、当日のステージをこなして、精神面でも、テクニックの面でも大きく成長しました。正直なところ、その分だけ私は大変に疲れましたが、それを癒すに充分足りる大きな幸福感も味わいました。

今年で3回目になる10年継続表彰も、10名の方にお渡しする事ができて、想像していた以上に喜んでいただきました。特に、今年3月で様々な事情の為、退会するお子さんが、計らずも今回10年表彰にあたり、良い記念となった事と思います。

他にもたくさん写真を載せましたので、見ていって下さい。
 

2月28日、杉浦日出夫先生の公開レッスンを開催しました。先生のレッスンは、豊かな音楽の知識、永年のレッスン経験、等々、表現することは難しいのですが、聴講した講師の先生方から、「分かり易くてとても良い。」「今日の公開レッスンもプライベートレッスンも、大変勉強になった。」等、異口同音に感想や意見が聞かれました。レッスンを受けた子どももきっと先生のお人柄や、その大きな手から紡ぎ出されるピアノの音色、表現の豊かさに感銘を受けたに違いありません。

若い講師の先生方には、自らが学習者として学んできたことも含め、今回のような聴講の機会を通して、まだ経験は浅くとも、指導していくことの難しさや楽しさ、また楽器の指導を通して人と向き合うことの大切さを学んでくれる事を願います。

当日、会場に足を運んで下さったご父兄の皆様も、先生の指導を通して、「ピアノ」に対するご興味や認識を、更に深めて下さったのではないでしょうか?
 

おひな祭りも過ぎ、すっかり春らしくなってきました。
ふと気がつくと、今年もセンターの駐車場の福寿草が満開になっていました。私は、春を告げるように咲くこの小さな黄色い花が大好きです。センターを建てて間もない頃、1株買って来て植えたものが、随分沢山増えました。株分けして鉢植えにしたり、別の所に植えたりしたましたが、どこも1年ともちませんでした。始めに植え付けたこの1画だけは居心地が良いのか、今も年々少しずつ大きくなっています。花にも好みの土地があるのでしょうか。私は、この犬山、その中でも現在暮らしている羽黒という小さな田舎町が大好きです。
   
先日、近くの大縣神社の梅まつりに行ってきました。そこで、1本の梅の木の下に、懐かしい名前を見つけました。それは、今から10年前くらいに、センターのグループピアノコースにいた男子生徒の名前と同じでした。とても珍しい苗字でしたので、同じ人物ではないか、と思いました。その彼であれば、今、高校生位になっている事でしょう。頭の良い、とてもかわいいらしいお子さんでした。
「今は、女の子たちの憧れの的になっているかな?」そんなことを思いながら、梅を観賞していました。また、それをきっかけに、これ迄指導してきた多くのお子さん達のことも思い返していました。
   
子ども、とりわけ幼児の指導は、大変神経を使い、難しいものです。それぞれのお子さんの性格や家庭環境、中でも母親の気持ちがそのお子さんに大きく影響します。子どもと向き合うだけでなく、親御さんともコミュニケーションを取りながら指導していくことが大切です。
四十年近く音楽指導を続けてきた中で、を思いながら、ようやく少しずつ、自分なりの指導論が持てるようになったこと。そして、仕事に自信らしきものが持てるようになってきたことを嬉しく思っているこの頃です。春の訪れと共に私の心の中の花園は少しずつ、色々な花が咲き始めている様です。
 

今年も3月14日・15日に、睦美音楽センター発表会を開催します。
毎年、3月に行うことにしていますが、3月は公の行事などが多く、希望していた南部公民館を二日連続して借りることが出来ませんでしたので、やむを得ず市民会館で行うことにしました。
会場は広く、借りる費用も格段に高いので、通常でしたら、お客さんが少ない発表会の為に借りることはありません。今回、その滅多に無い機会を、逆の発想で考えてみて、メリットを考えることにしてみましょう。例えば、同じグランドピアノでも、市民会館の方が数倍弾き易いのです。それは、そのピアノがピアノ発表会としてはあまり多く使用されていないことと、ホールそのものの響きにもよると考えられます。また、あまり多くないであろうお客様の前で、大きなステージを体験する。これも一つの勉強であると思います。そのようなメリットを考えながら、今回の発表会を迎えたいと考えています。

ところで、毎年のこと乍ら、発表会に臨むにあたって、何人かの親御さんは、お子さんのレベルよりも高い曲を希望されました。私は、やむなくその希望を受け入れ、レッスンを進めます。曲を決めてから1ヶ月半、漸く片手が理解できるところまで来ました。残りの1ヶ月半で、何とか曲としての形に出来上がることでしょう。

考えてみればおかしなもので、通常のレッスンでは殆ど練習をしてこない為、なかなか上達していないのに、年に1回開催されるステップと発表会では、(親御さんの希望される曲、それは)お子さんのレベルとはほど遠い名曲に挑戦する。指導者の私もですが、当のお子さんにとっても大変なことです。日頃からコツコツと練習する癖がついていれば、多少の難曲でもそれまで同様に、或いは、それまでより頑張りさえすれば弾きこなせることでしょう。ところが、日頃練習する癖をつけていないのに、曲を決めてから毎日長時間の練習を強いられる。お子さんにとってはかなりの苦痛です。したがいまして、そんなときは基本的に、選曲するときは本人も同意のもとで決めることにします。そうすれば、本人の中に「その曲を弾きたい」という気持ちが出来るので、本人のモティベーションも上がります。その結果、曲を仕上げるところまでもっていくことが出来ます。
 
本来、楽器の上達には、毎日コツコツ練習することこそが必要であると私は考えています。一方では、そのようにはなかなか出来ないお子さんたちにとっては、年に数回のイベントで難曲に挑むことも、上達の為の一つの手段である、という新しい考え方も必要なのかもしれません。
 

去る11月15日、2009年度のピティナピアノステップが、犬山市国際観光センターフロイデホールにて開催されました。
去年より少ない90人の出場でしたが、時間的には長くなり過ぎることもなく、滞りなく終了することが出来ました。これも、出演者の皆様とスタッフのご協力の御蔭と、心より御礼申し上げます。

今年、何よりも気を使いましたのは、新型インフルエンザの影響です。関係者全員にマスク着用をお願いし、消毒薬も用意致しました。残念ながら、風邪の為、当日欠席された方は3名いらっしゃいました。

ステップは、通常の発表会とは異なり、各地から来て戴いた3名の「アドヴァイザー」と呼ばれる先生方によって、各自、各先生方よりコメントを戴けます。評価も「S」「A」「B」「C」と付けて戴けます。
毎年「ステップ」と云う名の如く、少しずつグレードが上がっていきます。レッスンを怠けていると、前年と同じレベルを受けなくてはなりません。
曲を選ぶ時期になって、前年よりも少しでも上のレベルにステップアップしたいと頑張るお子さんもいて、ピアノレッスンを向上させる為、又は、子どもにやる気を出させる為にとても役立つシステムです。今年も、私の受け持っている生徒さんが「S」を戴きました。「Sは滅多につかない」と事前に云ってあったので、「S」をもらったお子さんは、親御さんとともに大変励みになったようで、今まで以上にピアノの練習を頑張ると云ってくれました。
「S」の効果は想像以上に多くの効果をもたらすようです。
目に見える結果の出にくい楽器のレッスンには、何よりのシステムではないでしょうか?
 

先日、小学生の女の子がお母様と一緒に、「話を聞いてもらいたい」とセンターを訪ねて下さいました。ピアノの先生に、「あなたは音痴です。」と云われたそうで、それを治したいと訪ねて下さいました。挨拶を終え、早速簡単な歌を歌ってもらいました。音程が少し外れることもありますが、癖の無い声でした。私の声と合わせて何度か歌う間に、音程がきちんと取れてきました。聞いていらしたお母様も「音が先生の声とずれていませんね」とうなずかれました。
 世の中に「音痴」と云われる人がいたとしても、それは決して生まれつきのものではありません。幼少期からの生活環境で声帯を上手にコントロール出来ないまま成長したのだと思います。ちなみに、あの天才「美空ひばり」は毎日歌って育ったからこそ、あれだけ広音域で表情豊かな声が育ったと思われます。
 外出先のお店でテレビを見ていると、「みんなの歌」が放映されていました。「みんなの歌」というのだから、もっと歌い易いメロディーのものを取り上げて、親子ですぐに歌えるものにして欲しいものだと思い乍らその歌を聴いていました。幼児と母親が数回聴いたら歌える歌。そんな、童謡や唱歌のような歌が、もっとテレビから聴けないものかと思い乍ら秋の空を見上げていました。
 先日、レッスン室からとても綺麗な夕焼けが見えました。そばで、1年生の女の子が「お空がきれい」と大きな声で指をさしました。二人で大きな声で「夕焼け小焼け」を歌いました。
 少し前まで、センターから見えるあぜ道で綺麗に咲いていた彼岸花も終わり、お月見も過ぎたこの時期、以前はこの季節になると道端のどこにでも揺れていたすすきも、近年あまり見られなくなってしまいました。せめて、季節の中で育まれてきた童謡・唱歌がもっと歌い継がれていかれれば、などと思い乍ら、再び夕焼けを眺めていました。
 

 2人の若者が自転車でチェコの田舎を旅する番組を見ました。その中で、音楽学校の学生がライブを行う場面がありました。5,6人の学生が身体を使って様々な音を出し、一つの音楽として演奏していました。その中に日本から来た二人の若者も入って、3分程の曲を演奏していました。
 その番組を見て、私は28年程前に、睦美音楽センターに特別講師として毎月通って来て下さった星野圭朗先生のリズムの即興表現を思い出しました。星野先生が教えて下さったのは、ドイツの作曲家で音楽教育者のカールオルフによって提唱された手拍子、足拍子、ひざ打ちなど、身体のあらゆる部分を用いてリズム表現をする即興表現です。
 その頃はピアノのレッスンが日本でとても盛んになり始めた頃で、オルフやリトミック等、様々なメソッドが紹介され始めた頃だったと私は思い出していました。
 またその頃、ハンガリーの著名なピアノ指導者が来日して講演をされました。犬山市在住のI先生が大変共鳴され、その先生の帰国に伴い、ハンガリーへ留学されました。数年を経て、人形遣いのハンガリー人の)ご主人と一緒に帰国され、開校したばかりの当センターで、2,3度人形劇を上演していただきました。先日のテレビの中でも紹介されていた、たった一人で演じる人形劇でした。
 その頃、ピアノを教えるために、私はその当時学び得るあらゆる事を勉強していたと自負しています。今も、その当時購入したオルフの楽器が、数多く当センターにはあります。
最近のピアノ教育は、コンクールがとても盛んになり、当時と随分変わってきたように思います。ですが、私の、子ども達にピアノが大好きになってもらいたい、そして、よい演奏をしてもらいたいと願う気持ちは、星野先生に教えて戴いていた頃のままであると改めて感じてテレビを見ていました。
 

今年も、例年に勝る暑い夏となりました。また、雨も多く、睦美音楽センターの花畑を久し振りに見て回ると、今までに見た事もない程草の丈が伸び、さらに、つる植物がからまって本当に驚いています。
 私は行ったことはありませんが、『ジャングルの中を歩くとこんな感じかな〜』と思い乍ら、植物をなぎ倒しながら花壇の中を進みました。
 50年間、生活をともにした主人の母が亡くなって、まもなく初盆を迎えます。のんびりとしたサラリーマン家庭に育った私は、当時農家であった主人の元へ嫁いで、何もかもが全く違っている「家」に本当に驚きました。私が姑に最初に教わったことは、
1.人に出会ったらあいさつをする
2.何か戴きものをしたり、して戴いたら
  「ありがとう」を云う

この2つでした。私は長女で、1番下の弟とは12才離れており、家の中の掃除、その他の家事も小さい頃からよく手伝っていましたので、主人の父は、嫁をもらうなら長女に限ると喜んでくれました。
姑が私に云った「1」の件で、今思い出しても笑ってしまうことがあります。当時から近視の私は、コンタクトレンズもなく、必要な時以外は眼鏡を外していました。結婚して間もないある日、家の近くの道を歩きながらふと見ると、畑で男性が畑仕事をしています。私はよく見えなかったので、誰か分からないけれどご近所の方だろうと思い大声で「こんにちは」と叫んだのです。すると「ばか者、自分の亭主が分からんのか!」と怒鳴られてしまいました。
 「こんにちは」というたった1つのあいさつで、その日1日が明るく楽しく過ごせます。毎朝、家から仕事場まで自転車で通勤しています。約5分です。県道の横の歩道を必死でハンドルを握って走ります。(というのは、3年位前の雨の夜、自転車のペダルを踏む足が滑って自転車もろとも高さ1m以上ある田んぼの中へ落ちたのです。幸い、雨の日で土もやわらかく、肩の脱臼だけで済んだのですが、その時に全身を強く打った後遺症に今も悩まされているのです・・・)
 歩道の巾は約1m50、少し傾斜しています。朝の通学時間なのでそこに反対側から自転車が走ってきます。私は自転車から降りて反対から来る人をやり過ごして又走ります。ある日、高校生の男の子が「ありがとう」と云ってくれました。高齢の方、中学生等、様々な人とすれ違います。
私は学生には大声で「おはよう」と声をかけます。年配の方にはお辞儀をしたり、立ち止まって下さった方には「ありがとうございます」と云います。ですが、返事が返ってくるのはまれです。
「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」等、日本語には様々なあいさつの言葉があります。一言声をかけることは、人と人とのコミュニケーションを図る為に、とても大切だと思うのです。
前出の、田んぼに落ちたときは、真っ暗の中、しばらく気を失ってしまいました。その後、立ち上がった私は、この自転車をどうやって高い道の上に上げようかと考えていた時、少し離れた店の前にいた若い男の子が3人走って来て「大丈夫ですか?」と声をかけて下さり、道の上に自転車をのせて下さいました。あの時十分にお礼を云えませんでした。真っ暗の中で顔も分かりません、今ここで心からありがとうと云います。
(あの時助けてくださった3人の男の子、本当にありがとう!私はその時の打撲の痛みは少しありますが、今も元気に仕事をしています)


 

事務員さんが、「ご近所の方がピアノを電動ノコギリとハンマーで小さく壊して、粗大ゴミとして捨てているのを見ました。」と話してくれました。私がこういう話を聞くのは初めてではありません。実は、これが4度目でした。
 20数年前、当時の生徒さんのお宅でグランドピアノを購入されるにあたり、それまで使われていたアップライトピアノは不用にあるとのことで、当センタ−に貰い受けました。
 当初は、センターの書庫(楽譜が入っている10畳程の控え室)に置いて、生徒さんが練習に訪れれば無料で弾いていただける『練習用ピアノ』として使用していましたが、その後、もう1台いただいたので、前出のピアノは、ピアノを一生懸命勉強したいけれど、すぐには購入出来ない生徒さんのお宅に貸し出しています。勿論、その間の調律は、そのご家庭でしていただき、ピアノを購入されたらお返しいただいて、次の方に借りていただいています。
 ピアノは大切に使えば、何十年でも使用出来ます。楽器店の邪魔をするつもりはありませんが、私の大好きなピアノを捨てたり、壊したりはして欲しくはないのです。
 今年も11月15日フロイデホールに於いて、ピティナ・ピアノステップを、犬山ステーションとして開催致します。この会は、当センターの生徒さんばかりでなく、外部の方々にも参加していただけます。当日は、ピティナから『アドヴァイザー』の先生をお迎えして、参加者のお一人お一人に直筆のメッセージをいただきます。
 私も5年程前まで、アドヴァイザーを務めさせていただきました。関西地区や関東地区まで伺ったこともあります。
 コンクールの場合は、入選、更に、1位や2位等と、子どもにはとてもむごい(個人的な意見ですが)結果が出ます。一方、ステップの場合は、アドヴァイザーの先生方からお一人お一人に、少しでもピアノが上手になるように、また、ピアノが大好きになって生涯ピアノを心の支えにできるように、励ましのお言葉がいただけます。また、ステージマナーについて、或いは演奏について等、実に細かいご注意がいただけることもあります。
 参加者にはとても有難い会ですが、アドヴァイザーの先生方にとってはとても大変なお仕事です。
 また、5年毎に継続表彰をいただけるので、生徒さんにとっては大変励みになります。特に、最近のお子さんは、さまざまな習い事をされています。忙しい時間の中で、ピアノのように、結果が見え難く、毎日練習をしなければ上達を望めないお稽古ごとはつい後回しになってしまうことさえあります。私は、ピアノを楽しく続けていただく為には目的を持っていただくことが何より大切と考え、1年に1回の発表会の他に、ピティナ・ピアノステップはまたと無いチャンスと生徒さんにお勧めしています。
 

昨年の5月に、ご近所のお友達が「数の子(卵の意味)の付いたホテイアオイをあげましょう」と云って下さったので、私は『メダカの卵がついているのだろう』と考え、喜んで戴くことにしました。
3本のホテイアオイを戴いて、教えて戴いた通り、発砲スチロールの白い箱を近くのスーパーから貰い受け、井戸水を入れ、その中にホテイアオイを浮かべて、センターの玄関前に置きました。
 ほどなく、卵から沢山の稚魚が孵化し始めました。事務員さんが、「えさを買ってきましょう」と、近くのホームセンターから『メダカの餌』と書かれた小さな袋を買って来てくれましたのですが、『赤ちゃんメダカのえさ』は売り切れていたので、「このえさをすり潰して与えましょう」とのことです。その時はじめて、えさが売り切れる程、メダカを飼うことが流行っていることを知りました。
 仕事が忙しく、ペットを飼うことが出来ない私は、メダカならば、センターの子どもたちも喜ぶだろうと飼い始めました。『飼う』と云っても、ただ水の中を泳がせて、時々水を取り替えて、疲れた時に気分転換にえさをやる程度の関わり方です。
 ところが、そのメダカたちから、今年は赤ちゃんメダカが100匹ほど産まれました。レッスンに来る子どもたちが覗き込んでは、お友達や親御さんたちと色々な話をしているようです。「欲しい」と言って戴いた方には貰って戴いています。
 玄関近くの教室で、フルートのレッスンを月曜日と木曜日の午後にしています。昨年の秋、フルートのレッスンをしている時に、用があって玄関に居ました。ふと、メダカの水槽を見ると、メダカの乱舞とでも云いましょうか。それまでに見たことのない程の大きな泳ぎ回り方です。フルートの音に反応するのでしょうか。
 私は小学校1年生の頃、岡山県の備中高梁と云う町に疎開していました。その町を流れる高梁川は、当時、とても水がきれいで、川辺にはメダカが水面いっぱいに泳いでいました。友達と一緒に、水面に白いハンカチを広げてさっとすくいあげると、ハンカチ一杯にメダカがすくえたものです。あの頃見たメダカは真っ黒でした。今センターに居るメダカは少し赤みがかかっていたり、薄い銀色のもの等様々で、随分違っています。
 孵化したばかりのメダカは、1mm程の、やっと目に見えるくらいの細かいものです。それが約2か月で、すっかり魚の形となり約2cmに成長し、水の中を泳ぎ回っています。
 去年暮れに、ご近所に愛犬をなくされて寂しがっていらっしゃるお年寄りがいらっしゃるので、「メダカをあげたい」と子どもが云ってきました。『メダカが犬の代わりになるかしら』と思い乍ら、子どもに持って行って貰いました。その後のお話では、どうやら、メダカは立派に役目を果たしているようです。お子さんたちの優しい気持ちが届いたのでしょう。
 センターを設立してから、四半世紀経過しました。設立当初、睦美音楽センターの分室をつくらないか、とのお話も戴きましたが、私は、この地で、睦美音楽センターに通って下さる子どもたち皆さんに、私の音楽に対する気持ちを伝えたいと考え、有難いお申し出ですが、お断りしてきました。
 当センターは現在、講師の他に、事務担当や掃除担当など31名のスタッフで運営しています。全員、とても大切なスタッフです。また、どの生徒さんも私が教えている気持ちで接しています。
 (たいへんおこがましいのですが)今年もコンクールで、センターの多くの子どもたちが入賞しました。コンクールに出場して活躍するのも大切ですが、音楽を楽しみ、それによって豊かな人生を送れるお手伝いもしていきたいと思っています。
 

4月に、1年生の女の子が入会しました。譜読みをさせようと「ドレミ」と歌わせてみました。全て同じ高さで歌うため、試しに私と一緒に音階を歌ってみました。
「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」
を全て同じ音で大声で歌う。私と声の高さが違っていることなど全く感じていない。そばで見ていらっしゃる母親も気づかれない。
そこで子どもに先生の声と同じ高さにしましょうと、ゆっくり音階を歌ってみると少しずつなおってきました。
 先日、1年生の男の子のピアノレッスンの折も、中央の「ド」から歌う所を1オクターブ下の「ド」から歌うので、私が何度も歌って聞かせると、やっと私と同じ高さで歌えるようになりました。
 最近、子どもの声がおかしいことに、皆さんは気づいていらっしゃいますか?
 私が子どもの頃、家にテレビはなく、ラジオはあってもニュースの時間につけるだけ。母が毎日うたう歌や、子どもたちが遊びの時に歌うわらべ歌が、耳から聞こえる音楽でした。また、学校の音楽といえば、殆んど唱歌を歌うくらいでした。
 ところが今、殆どの家庭にテレビがあり、私もそうでしたが、乳幼児期の子育てに便利と、テレビを一日中つけてテレビに子守りをさせているご家庭も少なくないのではないかと思います。となると、そこでは随分低音の歌も流れています。子どもがそれを聞いて、だんだん低い声になったと考えるのは私の考え過ぎでしょうか。
 私は折に触れ、お母様方に、お子さんと共に歌っていただくようにお願いをし、リトミックのレッスンにも、子どもの為に書かれたわらべ歌や童謡をできるだけ使うようにしています。
 これ迄に、何名かの男子学生が「私はカラオケに行っても、他の人と同じように歌えません。何とか歌えるようにして下さい。」と、入会してきました。根気よく、気長に一曲ずつ、簡単な歌から、正しい高さの声が出るように指導して、人並みに歌えるようになりました。
声は声帯が振動して出ます。幼児の頃から上手に使っていれば、声帯も訓練されて少しずつ良い声が出るようになるはずです。中にはハスキーな声の子どももまれにありますが。
 先日、久しぶりにテレビで美空ひばりの歌を聞きました。彼女の音域は、男性のテノール歌手位かなと思って聞いていました。解説していた作曲家が『裏声』と言っていたところは「高いレ」で、女性なら一般に出せる高さです。
 ひばりさんは、子どもの頃から大人の歌を歌い、しかも体を動かしながら歌っていました。体の筋肉を使いながら声を出すと、声帯は丈夫に強く、よく動くようになると言われています。さまざまな要素が重なって、あの歌の上手さが育っていったのでしょう。誠に見事な歌唱力という他ありません。浪花節・はうた・民謡・歌曲・演歌、何でも歌える素晴らしい天才。あのような人はこの先現れないと、私はそう思いながら聞いていました。
 

今年、当センターから1人の男子生徒が東京芸術大学に合格しました。
すばらしい表現力を持つ生徒でした。教えて下さったのはO先生。
 私は、男子生徒から「音楽を一生の仕事とするために音楽系の大学に行きたい」と相談されると、今までは、必ず「よく考えるように」と親御さんを呼んで意見してきました。
 一家の主として、音楽で生計を立てることはとても難しいと考えているからです。
 しかし最近は、その考えが大きく変化してきました。めまぐるしく変化する現代社会にあって、はるか昔から、人の心を癒す音楽は、今の社会に最も必要とされているものではないでしょうか。だとすれば、音楽を一生の仕事とすることは、とりも直さず心豊かで平和な人生を送ることができる、と。
 現代病の1つである「うつ病」にも、かかりにくいのではないでしょうか。まして、変な事件を起こすような気持ちが芽生えないのではないでしょうか。この様に考えれば、音楽を仕事とする事は精神的にも安定した生活を送れるのではないでしょうか。
 また、女子生徒と比べて男子生徒の場合、一般的に骨格がしっかりとしている、それゆえ音がとても良いのです。
 先日、全盲の辻井伸行さんがコンクールで1位になられたニュースは、日本中を駆け巡り、ピアノに関心のない私の主人も大変に感動し、テレビの前に釘付けになっておりました。
 私の長女が20数年前、東京の音大に在籍していたほぼ同時期に、同じアパートの1室に、全盲の男子学生がいました。グランドピアノを部屋におき、毎日とてもよく練習をしていると娘が感心していました。当時は『学生』として受け入れるシステムがなかったのでしょう。『聴講生』として在籍していました。その後、その学生さんがどのようになられたかはわかりませんが、辻井さんのように豊かな人生を送っていて欲しいと心から願っております。

 

今年もピティナのコンクールが始まりました。早くも2年生のMちゃんが予選(A1級)を通過しましたとの嬉しい知らせが入りました。
 Mちゃんは年少からピアノとリトミックを始めました(もちろん家にはヤマハのアップライトピアノ)。半年もたたないうちにおじいさんに「グランドピアノ」を買ってもらい、ピアノの練習にもますます熱が入ってきました。持ち前の明るい性格と頭の良さで、小柄ではありますが練習に励んでいます。年長の頃からS先生にレッスンをお願いしています。頭の良さ、素直さ、そして何よりもピアノが大好きで伸び伸びとレッスンを受けています。
 
昨日もある1年生の女の子のレッスンをしていてつくづくと思ったことがあります。他の習い事と比べてピアノは、


1.毎日練習をしなければ上手にならない
2.正しい練習をしなければいけない
3.音楽的な良い感性をもった先生につくと学ぶ子供も良い演奏が出来るようになる
4.家族全員音楽が好きで音楽会にもよく出かけ、聞くチャンスの多い家庭であること
が望ましい
1〜4(他にもありますが)に述べたような条件がまず大切であります。

 私の年代(S11年生まれ)は、ピアノに憧れて育ちました。自分の子供が生まれたらぜひピアノを学ばせようと思っていた年代です。親の思いが強すぎて子供をピアノ嫌いにした例もいくつかあります。
 近年は様々な鍵盤楽器が作られております。ある意味ではそれがピアノのレッスンに大きな障害となっている、と思うのは私だけではないでしょう。鍵盤の幅は同じでも音を出す機能が全く異なるので子供のテクニックは上達しません。